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「医療なんでも相談」
~リスナーの相談に医師が答える~
2017年12月09日(土)菅野光男先生 「直腸がんに関するご質問」
(濱邊一喜珪素医学療法士)
2017年12月16日(土)樋口真弘先生 「歯と口腔ケアについてのご質問」
2017年12月23日(土)藤沼秀光先生 「骨盤・膝の痛みと、アトピーに関するご質問」
2017年12月16日(土)樋口真弘先生 「歯と口腔ケアについてのご質問」
青山アナウンサー
「医療なんでも相談 」
こんにちは、青山紀子です。
この時間はリスナーの皆さんから寄せられた医療に関する悩みや疑問について、毎回専門のドクターからアドバイスしていただきます。
この番組は、あらゆる分野の未来を拓く日本珪素医科学学会がお送りします。
今日は、珪素医学療法士でいらっしゃいます濱邊一喜先生と一緒に番組を進めてまいります。
濱邊先生、よろしくお願い致します。
では今日はどんなご相談でしょか。
濱邊珪素医学療法士
70歳既婚、男性からです。
糖尿病と歯周病の関係、そして口腔ケアに関するご相談です。
青山アナウンサー
ではご紹介させていただきます。
先日、国連の世界糖尿病デーに因んで開催された名古屋市の市民講座で糖尿病の予防と合併症の怖さについて勉強する機会がありました。その講座で歯周病と糖尿病とは非常に深く関係していて、歯周病の予防が糖尿病の予防にも大いに役立つことを学びました。
実は今年奥歯を2本失い抜けてみて初めて自分の歯の大切さが分かりました。自分の歯で噛み咀嚼(そしゃく)することが健康を維持する上で重要な役割を果たしているとつくづく思いました。
ドクターから健康を守るうえで、自分の歯を80%以上残す事が大事だと教えられました。また人の体で一番細菌やウイルス・カビにさらされている部位が口の中だと本で読んだことがあります。
そこで日常での歯と口腔のケアについて教えてください。
というご相談なんですが。
では濱邊先生、今日のドクターをご紹介いただけますか。
濱邊珪素医学療法士
はい。本日の担当は、ヒグチ歯科医院の院長、樋口真弘先生です。ヒグチ歯科医院は大阪府岸和田市にあり、本院の他、周辺に5カ所の診療所を開設しております。夜間診療や訪問診療も行っております。樋口先生が高校時代に、体が弱かったおばあさんは歯医者さんまで行く事ができなかったので、往診をお願いしましたが応じてもらえなかった事が、自分が歯医者さんになる原点だったそうです。
青山アナウンサー
そうなんですね。
では樋口先生よろしくお願いします。
先ずですね、歯周病と糖尿病が深い因果関係にあるということなんですけれども、詳しく教えていただけますか。
樋口先生
こちらこそよろしくお願い致します。
例えば、歯科衛生士が糖尿病患者に歯周病の基本治療、すなわちスケーリング歯石除去やブラッシングやフロスなどを施術すると、大きく血糖値が下がって症状が改善するという報告が実は沢山ございます。
それらは歯周治療の結果として歯肉の炎症が無くなったことによるものです。
炎症が軽減することでインスリンの抵抗性が下がり、血糖値の低下につながるんです。
ただ、歯周治療が直ちに糖尿病を改善させるのかといえば、全ての人が対象となるわけではございません。
炎症が存在する場合に、消炎治療を行えば血糖値を低下させる事ができるのです。
また、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドというところでは、糖尿病と歯周病には密接な関係があることが分かってきており、糖尿病の初診時に歯肉からの出血や腫れが認められる場合は歯科を受信させることが望ましい。また日頃から糖尿病に関して歯科医と連携を保っておくことが重要である、と掲げております。
それぐらい大切です。炎症でつながっているんですね。
青山アナウンサー
はい。
では、濱邊先生の方からもご質問があるようです 。
濱邊珪素医学療法士
先生「3(さん)3(さん)運動」という言葉を聞いたことがありますが、3度の食事後に、その都度しっかり歯磨きをする習慣です。
外食の時も几帳面に歯ブラシを持って行く方がいます。
歯ブラシでのブラッシングだけでなく、歯間ブラシやフロスとの有効活用や舌苔(ぜったい)、舌に生える苔のことですけれども、歯磨きのタイミング等について教えて欲しいんですけれども。
樋口先生
はい、分かりました。
先ず、デンタルフロスに関してですが、我々はデンタルフロスとデンタルテープというのを使います。 よく似ておりますが、どちらもワックス付きとワックス無しの2種類がございます。
どちらであってもほぼ変わりはないんですが、ただワックス付きの方が滑りやすいため、歯と歯の間が非常に狭い場合に役立つことが分かっております。
青山アナウンサー
ワックスの方が滑りやすいので、狭い所に入るのに有効だという事なんですね。
樋口先生
そうなんですね 。
それと歯間ブラシ、歯と歯の間が広い場合には歯間ブラシの使用は、最良の清掃法となっております。
次は舌苔。舌の苔ですね。舌苔について申し上げますと「食渣(しょくさ)」要は食べかすですが、そこの細菌が舌に蓄積している場合は、舌の清掃、要は舌の苔の除去が必要になっております。
「食渣(しょくさ)」要は食べかすですが、そこの細菌が舌に蓄積している場合は、舌の清掃、要は舌の苔の除去が必要になっております。
その時は舌(ぜつ)クリーナーを抗菌性のある洗口液で湿らせて使用するのが効果的でしょう。
青山アナウンサー
クリーナーって器具みたいになっているやつですか。
樋口先生
そうですね。あの、普通の薬剤ですね。
薬剤をそのクリーナー、その器具みないになってるやつを、湿らせて使った方が効果的ですね。
先ず、その舌苔はですね、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)にも関係があるんじゃないかと。
青山アナウンサー
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) 。
樋口先生
はい。
今、実はそれを私も大学の方で色々教授と調べております。
青山アナウンサー
結構、誤嚥性肺炎ってお年寄りの方に最近よく聞きますもんね。
樋口先生
そうですよね。怖いですよね。
青山アナウンサー
それがこの舌の舌苔というのに関係があるというのは、私は初めて知りましたけど。
本当、口の中をキレイにするのって大事なことですよね。
樋口先生
そうです。
その因果関係を調べております。もう少しで結果が出るかと思います。
青山アナウンサー
後ですね先生。
やっぱり歯を守るには昔から甘いものを食べ過ぎちゃいけないよという事をよく言われますけども。
あのチョコレートなんか大好きですので、よく食べたいなぁとは思うんですが、やっぱり少々控えめにした方がいいんですかね。
樋口先生
ええ。そうですね。
先ずよく言われるのが、甘い物イコール虫歯か、という事になるんですが 。
先ず初めに、虫歯になる過程というのを簡単にちょっとご説明します。
あらゆる食べ物は口を経由し、その一部は口腔内に停滞します。停滞した食物残渣(しょくもつざんさ)は歯垢の中の細菌に接触され分解されるんです。
そして歯のエナメル質を溶かす強い酸を出します。そしてその強い酸によって、歯の表面の硬いエナメル質が徐々に溶解されていて、虫歯という穴を作るんですね。
これが虫歯の発生していく順序です。
ですから接触パターンと食物の選択は、虫歯の発生の重要な因子と言えるかと思いますが、甘いものを食べるイコール虫歯になる、というわけではございません。
体のために糖分の過剰な摂取は控えるべきですが、何を食べるかということではなく間食を含めた、要するに口に物を入れた食後のための、適切なブラッシングが虫歯にならないための大切なことなのです。
青山アナウンサー
そうなんですね。
あの、3(さん)3(さん)運動という言葉が先程、濱邊先生の方からも出ましたけれども、やはり三度三度の食事の後に、しっかり歯磨きをするということは、本当に基本中の基本ですけども大事なんですね。
樋口先生
そうですね。
間食すれば、そこにプラス1回ですよね。2回すればプラス2回という事になりますね。
青山アナウンサー
じゃあ、先生。3時のおやつの後にもやっぱり磨かないといけないという事なんですね。
樋口先生
ええ、勿論そうです 。
青山アナウンサー
そうなんですね。
後ですね、歯科医院の名前で、チョコレート歯科というネーミングのユニークな歯科医院があると聞いた事があるんですが。
樋口先生
はい、ございますね。
栃木県の方にある先生の診療所のお名前なんですが。実はこのネーミングも、甘いものを食べたからといって虫歯になるわけじゃないんですよという事を一般に知ってもらいたいという思いからつけられたそうですね。
青山アナウンサー
そうですね。
逆説的に、インパクトがありますから皆さん覚えますね。
なるほど。
さぁ濱邊先生、今の樋口先生のお話、色々聞かせていただきましたけども何かその他にご質問とかご感想などございましたら。
濱邊珪素医学療法士
そうですね。舌苔という言葉はなかなか聞きづらいんですけども。
やり方なんですけど、私も10年程前からですね、歯を磨いた時にそのまま歯ブラシで舌をなでてやっているんですよ。調子はもの凄くいいんですよね、10年位前からやっているから。そのやり方でいいのかなと思って。
青山アナウンサー
私も同じやり方しています。
濱邊珪素医学療法士
特別なやり方があるんだったら
教えて欲しいなと思いまして 。
樋口先生
はい、結構です。
ただ、あんまり強くなさいますと舌に乳頭という味覚を感じるものがあるんですね。それを傷つけちゃうと逆に炎症が起こりやすくなりますので、柔らかいスポンジのようなものでやられた方が良いとは思います。
濱邊珪素医学療法士
わかりました。
青山アナウンサー
歯ブラシだとちょっと強すぎるということですか?
樋口先生
ちょっと強いかなと思います。
青山アナウンサー
それか先生、利き手じゃない方の手で舌の上だけやるとかね。
樋口先生
その方がいいかもしれませんね。
青山アナウンサー
ちょっと弱めにという。
樋口先生
はい。
柔らかいスポンジのようなものを洗口剤を使われて、ちょっと湿らせていただいて、それでなぞっていただくという方がいいんじゃないでしょうか。
青山アナウンサー
そうですか。
最後に先生、口腔ケアについて何か皆さんにこれもお知らせしておきたいなという事があれば、簡単に教えていただけますか?
樋口先生
そうですね。
口腔ケアというのは、患者様は当然歯科医に会いたいから行くという事なんですが、でも、普段の予防という意味で何もないから歯科医院に行く、何も無いんだけど行く。 そこへ行って衛生士さんと密に連絡を取り、自分自身のお口の中の状態のチャートを取っていただいて、それで改善しているか改善していないか、正しいブラッシング、出来ていると思っても実は出来ていないことが多いんですね。
だから正しいブラッシングの仕方を本当に適切にやっていただければ、正直申し上げると、正しいブラッシングをしっかりすれば1日1回でいいと言われています。
だからそれくらいブラッシングは重要なんで。ブラッシング、されどブラッシングなんで。 その仕方をしっかり衛生士さんに習っていただいた方がよろしいかと思います。
青山アナウンサー
あと先生、歯医者さんに行くタイミングですけど、その予防という事でしたよね。そうなりますと、1ヵ月に1回なのか2~3ヵ月に1回なのか半年に1回なのか、どれくらいのタイミングで行くのが、無理なく行けるタイミングでしょうか。
樋口先生
そうですね。
うちでは1度問題なく終了した患者様も、一応3ヵ月に1度は来ていただいて、口腔内のチェック、ブラッシングができているかどうか、その辺の事を確認させていただいておりますので、3ヵ月に1回くらいでよろしいんではないでしょうか。
青山アナウンサー
分かりました。
色々詳しくありがとうございました。
今日は糖尿病と歯周病の関係、そして口腔のケアについてヒグチ歯科医院院長の樋口真弘先生にお話を伺いました。
スタジオは珪素医学療法士の濱邊一喜先生でした。
どうもありがとうございました。